HOME みわたす手帖とは?仮死状態の解放
▼ここをクリック! 120年, 12年, 1年, 1ヵ月, 1週間, 1日 各手帖の説明と記入例

仮死状態からの解放


 Aさん 「ごぶさたしております」
 事務局 「雨の中、恐縮です。早速ですが、いまはどんな手帖をお使いですか?」
 Aさん 「前に使っていたB5の見開き1ヵ月の手帖です。1日の1スペースを、横に4つに仕切り、1日にやることを4つほど書いて、それにしたがって行動しています」
 事務局 「スケジュールは、ぜんぶその見開き1ヵ月で管理しているのでしたね」
 Aさん 「そうです。みわたす手帖だと1日の手帖、1週間の手帖、1ヵ月の手帖と、同じことを見開きで3箇所に書くことになって、面倒でした」
 事務局 「どうしてですか? なぜ、何種類もの手帖に同じことを書くのですか?」
 Aさん 「えっ? そう教えていただきませんでした? システム手帖の意味がありませんよ」
 そういってAさんは、きれいに書いてある、仮死状態のみわたす手帖を見せてくれました。
 事務局 「書けなくなった原因がわかりました。1つは、同じできごとを何度も書いていたこと。次は、人に見せるために書いていたこと。3番目もあるのですが、それは後ほどお話しします」

■みわたす手帖の使い方
 事務局 「まず、一番目の問題です。これまでの手帖には、1年の手帖や1ヵ月の手帖では、詳しい内容を書くスペースがありませんでした。したがって、その日が近づくにつれ、1週間や1日の手帖にもう1度同じことを書かざるを得ませんでした。これは、綴じ式の手帖でもシステム手帖でも同じです。しかし、みわたす手帖では、1ヵ月、1週間、1日のどの手帖も独立した手帖として、それぞれ違う内容の5W1Hが書けます。次のようにです」

  一生に1度の結婚のような大事件は、120年の手帖に書きます。
  子どもの通う学校の名前と入学月は、12年の手帖の1ヵ月のスペース。詳細はプロセス、アドレス。
  毎年繰り返すことで、1週間以内のことは1年の手帖と「モチーフ」に書きます。
  病院のお見舞いのような人に会うことは、1ヵ月の手帖の1日のスペースに名前と場所と時間。
  宅配便の引き取りと商品名と代金などの1週間以内の予定は、1週間の手帖に書きます。
  今日や明日の1時間に1つ程度の電話連絡などは、1日の手帖に書きます」

 Aさん 「手帖の種類ごとに、書き方が決まってくるのですか? 私のB5判の1ヵ月の手帖で、その月のことをぜんぶ書くというのは、今日中にやることも、1週間の中でやることも、1ヵ月の間でやることも、一緒にしていたということですね」
 事務局 「そうです。手帖の種類別に時間の密度が違えば、違う手帖を使うということです。同じ期間でも、作業の密度をいろいろに変えると、成果もそれによって変わってくると思います」
 Aさん 「では、だんだんということには、まったく意味がないのですね」
 事務局 「まったく、ではありません。1つのことについて、だんだん詳しくということがあまり必要ではないということです。その期間全体のことや特に大切なことをだんだんまとめて抽象化することは、重要です。上からでも下からでも上位のある1単位の期間の『目標』を下位の周期の手帖の1段に詳しく分解して書いて、実行し、下位の手帖に現れる具体的な成果を、だんだん上の周期に持ち上げていくことは絶対に必要です。みわたす手帖は、そのための手帖です。ボトムアップとトップダウンのシステムとしてこれ以上明確なシステムを持っている手帖はないといえます。1日の手帖から120年の手帖までぜんぶ同じ論理でやれます。億劫でなければ、何回書いてもいいでしょう」
 Aさん 「凄い! 私、まったく知りませんでした。なぜ早く教えてくれなかったのですか!」

■みわたす手帖のラフな書き方
 事務局 「2番目の問題も、たぶん私たちの教え方が悪かったのです。最初は、なにがどう書けるのかを、一生懸命お伝えしようと、きれいに書いていました。それが負担となって書けない人もいたようです。そこで、いまは、特にきれいに書くようにはしていません。みわたす手帖をみんなに見せて、『ワーッ! すごい』といわれると確かにうれしいのです。きれいに書いていけないことなどありません。ラフに書くことが必要だということです」
 Aさん 「それを聞いて、安心しました。120年から1日の手帖まで、周期別に、さらに5W1Hで書くのですから、後からでもわかりますね」
 事務局 「それぞれの手帖の用途を決めて、どこを見ればどんな情報があるのかがわかれば、書き写す作業はいりません。ワープという専用のインデックスがあるので、必要なページにすぐに飛んでいけます。また、アプリケーションの手帖とは日づけや用途で関係づけができます」

■スケジュール管理で一番大切なこと
 Aさん 「1日にやるべきことが5つも6つもあるときはどう書くのですか?」
 事務局 「みわたす手帖は、できごとや予定を書くとき、それぞれの周期で絶対の順番を考え、その絶対を1日の手帖から120年の手帖までに書き込む絶対順位という考え方を開発しました」
 Aさん 「優先順位のことですか?」
 事務局 「優先順位ではありません。絶対とは、他にかけがえのない、なにかに優先されないことです」
 Aさん 「絶対なんて、あるのですか? でも、今日だの明日だのと時間を限ればありますね」
 事務局 「なにを持って『絶対』とするのか、というと、命を守ること、呼吸すること、食べること、眠ることは、だれにとっても絶対です。仕事や生活の中の自分にとっての絶対を、1日、1週間、1ヵ月、1年、12年、120年の中の特定の期間でやるべきこととして、それぞれの手帖のワープスペースに書き出します。書いてみると、『自然や宇宙』のことを含めて、自分にとっての絶対はたくさん存在しています」
 Aさん 「私の場合は、絶対が増えすぎそうですが?」
 事務局 「なにが絶対なのかを考えると整理できます。みわたす手帖はできごとを順位の種類で分類し、順位の種類別に順番をつけます。順位の種類は、1 生存上、絶対に必要な(生存順位)、2 その絶対を実現するために必要な技術(技術順位)、3 外部のだれかに頼まなければならない(契約順位)、4 いまやっておけば後々有利になる(戦略順位)、5 状況に合わせて順位を変える(変動順位)、自分の外側にあって変えられない順位(外部順位)の6つに分けました。
 Aさん 「物事の順番を決めるのに優先順位以外の考え方があったのですか! わかりました。絶対を見つけるのには、問題を集めるだけではだめで、周期と要素の違いで分けておくのですね。でも、もっと細かいことはどのような順番にするのですか?」
 事務局 「順位の種類という大枠を決めた後、それぞれの内部での、具体的に可能な日時と重要度を計り、それに応じて順番をつけ、最後に全体の順番を決めます」
 Aさん 「なんだか楽しそうです。もう1度書いてみます」
 事務局 「今日はごくろうさまでした。ぜひ、頑張ってください」


仮死状態からの解放(画像)