3つのメソッド「ビッグルール」
みわたす手帖には、音楽のようにメソッド(手帖の選び方・書き方・使い方の体系)があります。できごとや予定をどの周期の手帖に、どう書くのか、それをどんな順番で実行するのかが明確になっています。
■メソッド1 みわたす手帖の選び方
みわたす手帖は、できごとの種類と期間と単位によって、6つのみわたす手帖のどれに書くのかについてのメソッドがあります。
12年周期の1年単位のことであれば120年の手帖、1年周期の1ヵ月単位のことであれば12年の手帖、1ヵ月周期の1週間単位のことであれば1年の手帖、1週間周期の1日単位のことであれば1ヵ月の手帖、1日周期の6時間単位のことであれば1週間の手帖、6時間周期の1時間単位のことであれば1日の手帖を選びます。
例えば夏のボランティア活動の一員として、町内の資源回収を1回2、3時間、3日ほど続けて行なう場合は、1週間の手帖に書きます。1日の手帖では、昨日、明後日になにがあるのかが一覧できないのでわからないからです。しかし、ボランティア活動の責任者として、何人かの人をケアする場合には、1日の手帖も使います。一人一人の心配をするのには、1週間の手帖の1単位6時間では小さすぎるからです。むろん、1週間の手帖から120年の手帖までの全部が、場合によってはどれか複数のセットが必要になることもあります。どの手帖も、同じ形で全体をみわたし、1段1周をみとおし、1単位をみつめ、それぞれの5W1Hを書きます。大きな期間の周期も小さな期間の周期も、同じ形で一覧できます。
周期を見つけることは、いつ、どのようなエネルギーを、どう取り入れ、使い、蓄積するのかを主体的に?められるようになることです。解決に、100年かかるものであれば120年の範囲、4、5年であれば12年の範囲、7、8ヵ月であれば1年の範囲で考える、ということです。それぞれの月ごとの課題をデザインし、次に1週間単位で、その課題を実行するためのスケジュールを決めます。一般的に、1週間かかることを1日、1日かかることを1時間、というように、小さい時間でたくさんのことができる方法を見つけます。
■メソッド2 みわたす手帖の書き方
みわたす手帖は、手帖の種類を問わず、どのようなことについても、そのなにをどの位置に書くのかについてのメソッドがあります。
手帖の種類と、書くこと(入学、卒業、就職、出会い、結婚、育児、病気、葬送等)が違っても、すべては、いつ(When)、どこで(Where)、だれと(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)」の5W1Hの要素に分けて、あらかじめ決めた位置に書きます。
それぞれの位置について、そこであることの理由は次の通りです。
目的は、人からも、時間からも、働きかける対象や場所から自由に決めます。
時間は、人の有り様を超え、流れ続けています。
仕事は、他のなによりも先に決定すべき存在です。
人の名前は、ある一定の期間以上拘束できません。
場所は、一番下、それが自然だからです。
方法は、それを実行する順番と時間です。
みわたす手帖は、この書き方を「ビッグルール」と呼んでいます。
■メソッド3 絶対順位
人には、いつ、どこで、誰に、何をいわれようと譲れない「絶対」があります。それは、自分が、いま、ここに生きて存在していることです。それは、力の強い人の意見を優先することではありません。
絶対とは、他にかけがえのない、何かに優先されないことです。命を守ること、呼吸すること、食べること、眠ること、それは誰にとっても、文句の付けられない絶対です。
みわたす手帖を使って、毎日の生活や勉強や仕事の中の自分にとっての絶対を、1日、1週間、1ヵ月、1年、12年、120年のどの周期上の、いつ、やるべき、どんなことなのかを5W1Hで書き出してみましょう。すると、「自分」「社会」「地球」「宇宙」の中に、たくさんの絶対があることに気付くはずです。
書き出した色々あるやりたいこと、やるべきことを順位の種類で分類し、種類別に絶対にやることを軸に順番をつけ、その種類をつぎの6つの種類に分けると簡単に全体の順番を決められます。
生存順位 それを実行しなければ生存できないこと。
技術順位 そのために現在利用可能な技術。
契約順位 誰かに頼み契約すること。
戦略順位 上記外の戦略的なこと。
変動順位 状況によって上記の何かになること。
外部順位 自分の力ではむろん、契約によっても利用できない外部のこと。
「絶対順位」の付け方は 自分のやるべきことを順位の種類で分け、その中で一番最初にやるべきことを絶対とし、その絶対を軸に他の順番をつけることです。そのあと、全体の順番を決め、みわたす手帖のそれぞれの周期上で、具体的な年・月・日・時の調整を行ないます。
順位の種類間の順番はABC順です。